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海外銀行口座でマイナンバーは必要?対策について

海外銀行口座を開設する際は、本人確認書類や外国人登録証などが必要です。しかし、マイナンバーについては、状況に応じて必要なケースもあり注意しなければいけません。

そこでここでは、海外銀行口座でマイナンバーが必要なケースとそうでないケース、対策やについて、わかりやすくご紹介します。

海外銀行口座をこれから開設する方や海外銀行口座を開設したいものの必要なものがわからずためらっている方などは、参考にしてみてください。

マイナンバー制度についておさらい

まずは、マイナンバー制度の目的や仕組みについて確認しておきましょう。

行政の効率化を目指すための制度

マイナンバー制度は、2013年に法律で成立された公的な制度で、2015年10月から国内に居住している国民1人1人に番号が付与されています。

行政手続きの効率化を図るために作られた制度なので、さまざまな行政手続きやサービスを進める際に提示や入力などが必要とされています。

つまり、国内に住んでいる場合は、公的および民間での手続きを行う時にマイナンバーを書類へ記入したりマイナンバーを提示したりするのが必須な状況です。

たとえば、コンビニで行政手続きに必要な照明を取得する際は、マイナンバーが求められます。また、クレジットカードの新規申込時に必要な本人確認書類は、運転免許証などの他、マイナンバーカードも含まれています。

なお、国内の銀行口座で普通預金などの口座を開設する際は、マイナンバーの提出が推奨されています。また、証券口座の開設など一部の手続きに関しては、法律によってマイナンバーの提出が義務付けられているため、混同しないよう気を付けましょう。

通知カードを活用する際は別途本人確認書類が必要

マイナンバーを理解する際に覚えておくべきポイントの1つが、通知カードの存在です。

マイナンバー制度施行後は、郵送にて通知カードが届きます。通知カードには、マイナンバーの他、生年月日や氏名、性別、住所なども記載されています。

そのため、紛失しないよう厳重に取り扱うのが大切です。

行政手続きなどで通知カードを使用する際は、同カードの他にも顔写真付きの本人確認書類を提出しなければいけません。なぜなら通知カードに顔写真が掲載されていないためです。

2種類以上の本人確認書類を用意するのが面倒という場合は、早めにマイナンバーカードへ切り替えるのも重要です。

マイナンバーカードは1枚でさまざまな確認を済ませられる

マイナンバーカードは、通知カードと異なり公的な身分証明書として活用可能で、顔写真やICチップなども搭載されています。つまり、1枚でさまざまな本人確認手続きを進めることが可能です。

マイナンバーカードを所有したい場合は、最寄りの自治体窓口もしくは郵送、HPにてマイナンバーカードの申請手続きを始める必要があります。

発行後は、行政証明書の取得に活用できますし、行政手続きや民間の手続きにも活用できるようになります。

マイナンバーと住民基本台帳カードとの違い

住民基本台帳カードは、2015年に交付や更新などが終了となったカードで、本人確認書類などとしても活用できます。ただし、利用できるのは有効期限までとされたため、発行から10年を経過すると利用できません。

また、住民基本台帳カードの後継サービスといえるのがマイナンバー制度で、より幅広いサービスに活用可能となっています。

2023年時点では国民に通知カードが送付されているので、住民基本台帳カードを持っていない方・既に有効期限が切れた方でも行政手続きを進められます。

海外銀行口座の開設にはマイナンバーが必要か?

マイナンバー制度の概要を把握したあとは、海外銀行座の開設手続きの際にマイナンバーを活用する必要があるのか解説します。

日本に居住している場合

日本に居住している(国内の住民票が交付されている状態)方の中で海外銀行の口座を開設したい方は、口座開設続きの際にマイナンバーを原則提出する必要があります

そのため、資産運用などさまざまな理由で海外銀行口座を保有したい場合は、事前にマイナンバーを確認しておくのが大切です。マイナンバーは12ケタで、通知カードもしくはマイナンバーカードに記載されています。

CRSによってマイナンバー情報が必要

海外銀行口座の開設手続きの際にマイナンバーを提出しなければいけない主な理由は、国際的な租税回避を防止するためです。つまり、脱税といった行為を防止するためにマイナンバーの情報が、求められています。

経済協力開発機構(OECD)では、外国の金融機関などを利用した租税回避の動きを防止するために共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)という取り決めを定めました。

共通報告基準では、自国の金融機関に登録した非居住者の情報を居住地国の税務当局へ各種情報を共有するという内容です。

日本もOECDの加盟国で、なおかつ共通報告基準の実施を約束しているため、各国と金融機関の登録者に関する情報を共有しています。

海外銀行の口座を開設した際にマイナンバーを提出すると、日本の国税庁へ氏名などの情報が提供される仕組みです。

国内・国外への送金にマイナンバーは必要か?

続いては、海外銀行を活用した送金の際にマイナンバーの提出が必要なのかどうかという点についてわかりやすく解説していきます。

国内から海外銀行へ送金する場合

国内から海外銀行へ送金する場合は、国内の銀行へマイナンバーを含む各種情報の提供および必要書類の提出が求められます。そのため、海外へ送金を行う予定のある方は、事前にマイナンバーを確認しておくのが大切です。

店頭窓口で海外送金サービスを利用する際は、運転免許証をはじめとした本人確認書類と出金口座として利用する通帳と銀行印、マイナンバーカードもしくは通知カード・マイナンバーの記載された住民票の写しを持参する必要があります。

また、証明書類の他には、送金先の国や住所、金融機関の詳細情報、送金目的などの情報を提出します。

なお、海外送金の際は手数料がかかるため、事前に金融機関HPなどから送金手数料を確認しておきましょう。

海外銀行から国内の金融機関へ送金する場合

海外在住者が現地の銀行から国内の銀行へ送金する際、マイナンバーの提出は求められます

マイナンバー制度の設立後6年間は、経過措置としてマイナンバーの届出を行っていない海外在住者も国内の銀行(自身で保有している口座)へ送金できるよう配慮されていました。

しかし、2021年12月末に経過措置が終了したあとは、海外在住者も国内銀行への送金時にマイナンバーの提出を行わなければ原則送金できない状況へ変わっています。

例外として国内に住んでいないことを届け出ている方など一部のケースにおいては、マイナンバー不要で海外送金(海外被仕向送金)を行える可能性もあります。

ただし、多くの国内金融機関は、海外送金においてマイナンバーの届出を必須としているため、海外在住者保有の国内口座へ送金するのが難しい状況です。

たとえば、国内に住んでいる家族へ送金したい場合は、海外在住者本人の国内口座ではなくマイナンバーを取得している家族の口座へ送金手続きを行うなど、注意の必要な手続きおよびルールといえます。

海外在住の場合、マイナンバーは必要か?

ここからは、海外在住の際に現地の銀行口座を開設する際にマイナンバーが必要かどうかという点をわかりやすく解説します。

海外在住の場合はマイナンバー不要で口座開設可能

海外に在住していて現地の銀行口座を開設する際は、マイナンバーの取得や提出など不要です。

そもそもマイナンバーは国内の制度で住民票と連携されています。そのため、国内に住民票を持っていない海外在住者の場合は、現地の銀行口座開設手続きの際にマイナンバーの届など不要ですし、マイナンバー自体交付されていません。

ただし、海外銀行の口座開設および銀行の利用方法については、各国によってルールなど異なります。現地の行政HPや銀行窓口もしくはHPなどで口座開設に必要な情報や書類、手続きの流れを確認するのが、トラブルを回避する上で大切なポイントです。

次にいくつかのケースを紹介します。

アメリカの銀行口座を開設する場合

アメリカの銀行では、口座開設の際に顔写真付きの身分証明書だけでなく、SSNや住所を証明できる書類などが求められています。SSNとは、ソーシャルセキュリティナンバーの略称で、社会保障番号のことです。同番号を持つことで、銀行口座の開設や携帯電話の契約、確定申告などといったさまざまな手続きを進められるようになります。

また、アメリカの銀行によって本人確認書類として認められる書類は異なるので、事前に銀行HPで確認したりなるべく多くの書類を準備したりしておくのが大切です。

イギリスの銀行口座を開設する場合

イギリスで銀行口座開設する際は、主にパスポートなどの本人確認書類と住所を証明できる書類の2種類を用意しておく必要があります。

また、銀行によっては、HPにて予約手続きを行い、予約日に窓口で手続きを進めてもらうケースもあります。事前に予約できれば待ち時間を短縮できるので、予約対応しているかHPなどから確認しておきましょう。

もし必要な場合、どのような手続き方法があるか?

既にマイナンバーを取得していて国内に在住している時は、海外銀行の口座開設手続きを行う際に本人確認書類の他、マイナンバーを提出すれば手続きを完了させることが可能です。

一方、海外に在住していてマイナンバーが失効している場合は、帰国後に自治体窓口で住民登録を行うとマイナンバーが交付されます。海外銀行口座を新たに保有したい場合や国内銀行への送金を検討している場合は、各金融機関へマイナンバーを提出することで各種サービスを利用したり口座開設を進めたりできるようになります。

まとめ

国内に住んでいる状態で海外銀行口座を開設したい時は、口座開設手続きの際にマイナンバーを提出する必要があります。また、海外銀行から自身の保有している国内銀行口座へ送金する際は、国内銀行にもマイナンバーの届出が必要とされています。

海外銀行の口座開設手続きには注意点が多く、忙しい方にとって手間のかかる作業でもあります。行政書士事務所やサポート会社でのサポートを受ければ、必要書類や手続きの具体的な流れなど細かいポイントまで確認しながら手続きを進められます。

サポート会社を検討する際は、相見積もりを行いながら慎重に比較しましょう。

下記ページでは「日本にいながら海外銀行口座を開設する方法」や「海外口座開設サポート会社」について詳しく解説をしています。 海外口座を正しく利用・運用していきたい方はぜひご参考ください。

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「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル

合同会社PPS吉岩勇紀代表
合同会社PPS
吉岩勇紀代表

2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)・JDB銀行(ラオス)をはじめ、計8銀行の口座開設をサポートしている。

※2023年4月20日調査時点