海外口座の作り方を解説
日本にいながら海外銀行の口座を作る方法には、大きく分けて3つの方法があります。ここでは、それぞれのメリットや注意点をご紹介します。
日本の銀行経由で作る
日本国内にいながら海外銀行口座を開設する方法としては、自身が利用している日本の銀行を窓口にするやり方があります。具体例としては、三菱UFJ銀行が挙げられ、同銀行が提携しているアメリカやタイなどの海外銀行を対象として、口座開設の手続きをサポートしてくれる仕組みです。
この方法は、海外に直接渡航しなくても開設手続きをスタートできる可能性があるため、忙しくて海外に行く時間が取れない方や、渡航費用をなるべく抑えたい方に向いているといえます。さらに、国ごとに異なる法律や銀行文化を日本語で確認できるので、言語面や文化面で不安を抱えている場合にも安心感があります。
ただし、日本の銀行と連携している海外銀行は数が限られているため、希望する銀行が必ず対象になるとは限りません。また、留学や赴任などに伴うビザの有無や現地の在留資格が要件となるケースがあり、事前の確認が大切です。
日本の銀行経由で作るメリット
- 渡航費を節約できるため、海外に直接行く時間やコストを抑えやすい
- 日本語でのサポートが受けられるので、書類や手続きの不明点を相談しやすい
- 日本の銀行との連携があるため、ある程度の信頼感を持って利用できる
日本の銀行経由で作るデメリット
- 提携先の海外銀行が限られており、希望する銀行で口座を作れないことがある
- 留学や赴任などのビザ要件が必要な場合があり、誰でも利用できるとは限らない
- 手続きが比較的スムーズとはいえ、審査や開設完了まで一定の日数がかかるケースもある
日本の銀行経由でつくる際のチェックポイント
- どの国の銀行と提携しているか
- 渡航が不要か、あるいは一部必要なのか
- ビザの取得要件や現地在留資格がいるかどうか
このような点をしっかりリサーチしておけば、「開設できなかった」というトラブルを回避できます。サポート窓口に問い合わせ、書類の準備方法や開設後の管理方法などを相談できるのも、日本の銀行経由ならではの安心感といえるでしょう。
海外口座開設サポートを利用する
海外口座開設サポートを利用するメリットは、さまざま海外銀行の中から、金利や運用方法など、目的・ニーズに合った銀行を選べる点です。年利10%程度の高金利の銀行も選べるので、効率よく資産運用を行えるでしょう。
「どんな銀行が良いか分からない」という場合も、豊富な経験とコネクションを持ったエージェントが適切な銀行を提案してくれるので安心。さらに、現地スタッフや各国の金融関係者から収集した確実性の高い情報をもとに、口座開設後の各種手続きに関するサポートや、運用に関する相談などにも日本語で丁寧に対応してくれます。
英語や現地の言語に不慣れな場合でも、日本語のサポートが充実していることが多いので、書類の確認や手続きのステップで不安を感じなくて済むでしょう
プロに相談しながら口座開設を行いたい」という方におすすめです。
海外口座開設サポートを利用するメリット
- 各国の銀行に関する豊富な情報とネットワークを持つため、幅広い選択肢から口座を選べる
- 口座開設後の運用相談や現地情報の提供など、アフターフォローを受けられる場合が多い
- 語学力に不安がある場合でも、エージェントが手続きや書類作成をフォローしてくれる
海外口座開設サポートを利用するデメリット
- サポート費用や手数料が発生する場合が多く、コストがかさむ可能性がある
- エージェントの経験やネットワークによって、対応できる銀行・国が異なる
- 専門家任せにしすぎると、自分自身での銀行選びやリスク把握が十分でなくなるおそれがある
海外口座開設サポートを選ぶ際の視点
- 提案してくれる銀行や国の選択肢の幅
- 日本語でのサポートやアフターフォローの充実度
- サービス料金や手数料の詳細
「海外銀行での資産運用を積極的に行いたいけれど、どの国や銀行が良いか分からない」といった悩みがあるなら、専門のエージェントサービスを活用するのも有効な手段でしょう。
行政書士事務所を利用する
行政書士は、官公署に提出する書類の作成や、それらの提出手続きの代理などを専門的に扱う法律のプロフェッショナルです。海外銀行の口座開設は、国ごとに異なる規制や書類要件に対応しなければならないため、書類の準備だけでも混乱することが少なくありません。そんなとき、行政書士事務所に相談すれば、スムーズかつ正確に手続きを進めるためのアドバイスやサポートを受けられます。
さらに、事務所によっては言語翻訳サービスを利用できるところもあります。現地の銀行が指定する書類が外国語で書かれている場合や、ホームページ上での情報収集に不安がある場合は、こうしたサポートを通じてミスを防止しやすくなるでしょう。とはいえ、行政書士への依頼には当然費用が伴いますし、提供されるサポート範囲も事務所によってまちまちです。どのレベルまで手伝ってもらいたいのかを明確にし、事前にしっかりと打ち合わせを行うことが重要です。
行政書士事務所を利用するメリット
- 国ごとの規制や書類要件に対応した、正確な書類作成を依頼できる
- 事務所によっては翻訳や現地情報の調査もサポートしてくれるため、言語面のハードルが下がる
- 法的な側面からのアドバイスを受けられるため、安心して手続きを進めやすい
行政書士事務所を利用するデメリット
- 行政書士への報酬が必要となり、コストが高くなりがち
- 海外口座開設のサポート範囲や対応可能な国が事務所によって異なる
- 書類手続きが中心となるため、投資や運用に関するコンサルティングは別途必要になることがある
行政書士を活用する際のポイント
- 依頼内容と費用の見積もりを明確にする
- 対応可能な国や銀行の範囲について確認する
- 翻訳や相談サポートの有無と範囲をチェックする
海外口座開設で起こりがちな書類ミスや手続きの遅延を避けたい方、法的に安心して進めたい方には、行政書士事務所を利用するのも心強い選択肢といえます。
海外銀行口座開設に行政書士事務所を
利用する方法について詳しく見る
日本の銀行経由 |
行政書士事務所 |
サポート会社 |
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STEP1
開設 したい 銀行を 選ぶ |
提携を結んだ海外銀行
から選ぶ 自分の好きな銀行を選べるわけではなく、基本的には日本の銀行が提携を結んでいる海外銀行しか選べない。プラン自体も「個人の資産運用」というより、「法人の海外拠点設立支援」や「個人の転勤・留学」などを想定したものが多い。 |
銀行の紹介
などはなし あくまで個人で調査・判断し、開設したい銀行を選ぶ。 |
海外銀行を幅広く選択
することが可能 運用資金や預金の目的に合わせて、どんな銀行を選ぶべきか、サポート会社の助言を受けて自分で選ぶ。最低預金額が設定されている銀行もあり、ある程度の資金が必要になるが、年利10%程度の高金利を設定している銀行もある。 |
STEP2
必要 書類 を用意 |
基本的に個人で用意する
銀行で用意してくれるケースもあるが、下記のような口座開設に必要な一部書類は個人で用意する。
|
個人で海外銀行に
必要な書類を問い合わせて用意する
などが開設にあたって必要な場合、事務所から翻訳や文書作成のサービスが受けられる。 |
個人で調べる必要はなく、
サポート会社にお任せ ただし、記入は個人が行う 預金する銀行が決まったら、どんな書類・手続きが必要かはサポート会社が調べて用意してくれる。利用者はガイダンスや助言を受けながら記入するだけでOK。 |
STEP3
オンライン 手続き または 郵送 する |
個人で郵送または
オンラインで開設したい 銀行に送付 手続きに関する不明点はコールセンターが対応してくれる。 |
個人で開設したい
銀行に問い合わせて、 用意する 送付方法の翻訳などが必要な場合は対応してくれる。 |
書き方や入力方法の
レクチャーやサポート が受けられる 翻訳業務も対応可。ただし、入力作業や郵送そのものは個人で行う。 |
まとめ
日本から海外の銀行口座を開設する手段としては、日本の銀行を通す、海外口座開設サポートを活用する、あるいは行政書士に依頼するといった複数の方法があります。それぞれに掛かる費用やサポート範囲、英語力の必要性などが異なるため、自分の目的や予算、時間的な余裕に合わせて選ぶのが賢明です。
たとえば「直接現地に行かずに作りたい」「日本語でのサポートがほしい」なら日本の銀行や専門エージェントの活用が便利でしょう。逆に「多少の英語コミュニケーションは問題ない」「極力費用を抑えて開設したい」という方は、オンライン完結型の海外銀行やマルチカレンシーサービスを検討するのも一案です。さらに、手続きや書類面を万全にしたいのであれば、行政書士事務所に相談するのも良い選択肢です。
いずれの方法を選ぶにしても、海外口座の開設には為替変動リスクやカントリーリスク、日本の税制への対応といった要素が伴います。海外へ資産をシフトする際にはリスクとリターンをバランスよく考慮し、確かな情報をもとに慎重に進めることが大切です。将来的な海外移住やグローバルなビジネス展開を視野に入れて、いまのうちから海外口座を準備しておくのも、有効な選択肢になるかもしれません。
by
合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル

- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)の口座開設をサポートしている。
※2025年1月30日調査時点