仮想通貨の現金化のポイントや注意点
この記事のポイント
- 仮想通貨の現金化は「正規の取引所を使い、税金と銀行審査を前提に進める」ことが大前提となります。
- 仮想通貨を持ちっぱなしにすること自体が大きなリスクであり、「分散」と「転換」を組み込んだ出口戦略を検討することが大切です。
- BTC/USDTは、Europe Chartered Bankを活用して海外銀行口座やドル建て預金へ移すことで、「利回り」と「資産保全」を同時に狙う出口も選択肢になります。
仮想通貨は値動きが大きく、ただ保有し続けるだけでは、相場急落やハッキング、税金への対応など多くのリスクや手間を抱えたままになります。
本記事では、ビットコインやUSDTを日本円に現金化する基本的な方法と、その際に注意したいポイントを解説。あわせて、海外銀行口座などを活用して仮想通貨を分散・転換する出口戦略の考え方も紹介します。
長期での資産形成を見据え、どのタイミングで、どこまで現金化するかを考えるきっかけとしてください。
仮想通貨の現金化の方法
国内取引所で売却して日本円に換金する
仮想通貨をシンプルに現金化する代表的な方法が、国内の仮想通貨取引所で売却して日本円に換えるやり方です。
あらかじめ本人確認と口座開設を済ませ、BTCやUSDTを入金したうえで、現物取引の「売り注文」を出します。売却が約定すると口座内に日本円残高が入り、登録した銀行口座へ出金できます。金融庁登録済みの取引所であれば、一定の規制や管理下で適正にサービスが運営されています。
販売所で簡単操作のワンクリック換金
仮想通貨の売買に慣れていない人は、取引所と並んで「販売所」での現金化も選択肢になります。
販売所は、事業者を相手に「買い取り」や「販売」を行う形式で、画面上の売却ボタンを押すだけのシンプルな操作性が特徴。取引板を見ながら価格や数量を細かく指定する必要がないため、初心者でも使いやすい仕組みといえます。
ただし、その分スプレッド(買値と売値の差)が広くなる傾向があるため、同じ金額を売却しても取引所より受取額が少なくなるケースも少なくありません。換金の手軽さとのバランスで検討してみましょう。
ビットコインATMでその場で現金を受け取る
一部の国や地域では、ビットコインATMを使って現金を引き出す方法もあります。
ビットコインATMは、画面の案内に従ってウォレットからBTCを送金すると、送金の完了が確認されたあとに対応通貨の現金が出てくる仕組みです。取引所の口座開設や銀行振込の手続きと比べると、その場で現金を受け取れる手軽さが特徴といえます。
ただし、設置場所が限られていることに加え、手数料やレートが高めに設定されることも多いため、利用前にコストや利用上限などの条件をよく確認しておく必要があります。
日本国内でも仮想通貨交換業者によるATM展開が始まりつつありますが、現時点では設置地域が限られている状況です。
仮想通貨を現金化する際の注意点
国内登録済み取引所と二段階認証の利用
仮想通貨を現金化する際は、まず金融庁に登録された国内取引所を利用することが基本路線です。登録済みの事業者は一定の規制や監督下にあり、資産管理や情報セキュリティへの取り組みも公表されています。
海外取引所では、出金トラブルや日本語サポートの不足など、問題が起きた際に保護を受けにくい点がネック。どの取引所を選ぶ場合でも、必ず二段階認証を設定し、公式サイトのURLを確認するなど、フィッシング詐欺対策もあわせて行う必要があります。
手数料とレートをまとめてチェック
同じ金額の仮想通貨を売却しても、実際の受取額は取引所や販売所によって変動することがあります。
主な変動要因は、売却手数料、日本円への出金手数料、そしてスプレッド(買値と売値の差)の3つ。特に販売所形式はスプレッドが広く設定されることが多いため、画面上のレートだけを見ると割高な売却になってしまう場合があるので注意が必要です。
事前に各社の条件を比較し、自分が重視したいポイントに合うサービスを選ぶことが、手取りを減らさないための基本となります。
仮想通貨の利益は原則課税対象
日本では、個人が仮想通貨の売買などで得た利益は原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。売却で日本円に換えた場合だけでなく、他の仮想通貨への交換や商品・サービスの決済に使った場合でも、取得時より値上がりしていれば課税対象になる可能性があります。
あとから計算しようとしても、履歴が残っていないと正確な所得金額を出すことは困難。「急がば回れ」で、日頃から取引履歴や取引所のレポートをダウンロードして整理しておくことが、確定申告をスムーズに行うための近道になります。
銀行の入金審査とマネロン対策への配慮
仮想通貨をまとめて現金化し、一度に高額な現金を銀行口座へ振り込んだ場合、金融機関から入金の背景について問い合わせを受けることがあります。
これはマネーロンダリングや犯罪収益移転を防ぐための通常の確認であり、必ずしも口座凍結につながるわけではありません。ただし、急な大口入金が続くとチェックの頻度が高まることも想定されます。
チェックを回避するためには、仮想通貨の売却額を複数回に分けることが有効。また、資金の出どころや投資経緯を説明できる資料を用意しておけば、仮に金融機関から照会が来たとしても、落ち着いて対応しやすくなります。
価格変動リスクと売却タイミングの注意点
仮想通貨は値動きが激しく、売却するタイミングによって受け取れる金額が大きく変わります。
短期的なニュースやイベントで急騰・急落することも多いため、「今すぐ全部売る」「様子見で放置する」といった極端な投資判断は、結果として後悔につながりかねません。特に多くの数量を保有している場合は、一度で売却せず、複数回に分けて約定させる方法も検討してみましょう。
売却前には、板の厚さや出来高など流動性の状況を確認し、市場への影響を抑えながら現金化していく発想も大切です。
アドレスとネットワークを何度も確認する
仮想通貨の送金は、一度ブロックチェーン上で承認されると基本的に取り消すことができません。アドレスの入力ミスや、コピー&ペースト時の一部抜けがあると、そのまま資産を失うリスクがあるので要注意。送金前には、先頭と末尾の数文字を必ず目視で照合するくらいの慎重さが欠かせません。
また、BTC・ETH・ERC20・BEP20などネットワークの選択を誤った場合、資産が反映されないケースもあります。少額のテスト送金を挟んでから本送金を行うなど、ヒューマンエラーを前提にした手順を用意しておけば、思わぬ送金トラブルのリスクが低減するでしょう。
個人の換金代行サービスは利用しない
「手数料が安い」「すぐに現金化できる」などと宣伝する個人や無登録業者の換金代行サービスは、トラブルの温床になりやすい存在です。
資金を預けたまま連絡が取れなくなる典型的な詐欺に加え、知らないうちにマネーロンダリングのスキームに巻き込まれるおそれもあるので要注意。マネロンに巻き込まれれば、自分の口座が凍結されたり事情説明を求められたりするリスクを抱え込むことになります。
仮想通貨の現金化は、必ず金融庁登録の仮想通貨交換業者や銀行など、正規のルートに限定するようにしましょう。
資金移動の履歴を残し説明可能にしておく
仮想通貨の現金化を繰り返していると、税務署や銀行から資金の流れについての確認を求められる場合があります。その際に、取引履歴や送金元・送金先の情報をすぐ提示できれば、確認のやり取りをスムーズに進めやすくなります。
具体的には、取引所の明細画面や約定履歴のスクリーンショット、出金履歴のCSVデータ、ウォレットのトランザクション画面などを定期的に保存しておくと便利。どこから資金が入り、どこへ動いたのかを自分で説明できる状態を維持しておくことが、税務・コンプライアンスの両面で大きな備えにつながります。
仮想通貨の出口戦略
仮想通貨の出口戦略では、「いつ・いくら・どこへ移すか」をあらかじめ決めておくことが大切です。
持ちっぱなしのリスクを冷静に把握する
仮想通貨を長期で保有する場合には、「値上がりを待つだけ」でなく、どのようなリスクを抱えているかを事前に整理しておくことが重要です。仮に、取引所への不正アクセスや、自分のミスによるパスワード紛失・アクセス不能が起きれば、資産が一部または全部が失われる可能性もあるので注意しましょう。
価格の急落局面でパニック売りしてしまう心理的なリスクも含めて、「持ちっぱなし」に伴う不安要素を一度リストアップしておけば、出口戦略の重要性を実感できます。
分散と転換で資産を守り育てる
こうしたリスクに向き合うためには、仮想通貨だけに資産を集中させず、「分散」と「転換」を組み合わせた出口戦略を考えることが大切です。
たとえば、保有額の一部を法定通貨や預金・運用商品へ段階的に移し替えれば、相場急落時のダメージを抑えながら安定的な利回りも狙うことができます。
どの程度を現金化し、どの程度を運用に回すのかは、年齢や収入、将来使う予定の時期などを踏まえて、自分の許容リスクから逆算して設計していきましょう。
仮想通貨 × 海外銀⾏という選択肢
PPSがご案内する Europe Chartered Bank は、BTC‧USDTをそのまま銀⾏⼝座へ⼊⾦できる数少ない海外銀⾏の⼀つです。
⼊⾦後は 最⼤年利6.5%のドル建て定期預⾦に転換可能。⾼利回り‧法定通貨の安定性‧銀⾏の安全性を兼ね備えた、“実⽤性のある出⼝戦略”としてご活⽤いただけます。
仮想通貨の現金化に関するよくある疑問
仮想通貨を売ったら必ず税金がかかりますか?
仮想通貨を売却して利益が出た場合は、原則として税金の対象になります。日本では個人の仮想通貨の利益は「雑所得」に区分され、給与などと合算して総合課税で計算される仕組みです。利益が出ていなければ、税金はかかりません。
なお、サラリーマンで雑所得の合計が年間20万円以下の場合など、確定申告が不要になるケースもありますが、複数の収入源がある人などは20万円以下でも申告が必要になる場合もあるため、迷ったときは国税庁の情報や専門家の意見を確認しながら判断していくことが大切です。
具体的な税額計算や申告の要否が不安な場合には、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
仮想通貨から他の仮想通貨に交換しても課税されますか?
仮想通貨から別の仮想通貨に交換した場合でも、交換時点で円ベースの評価額が取得時より増えていれば、その差額は原則課税対象になります。
たとえば、取得時に30万円相当だったBTCを、40万円相当のタイミングでETHに交換した場合、10万円分の利益が出たとみなされるイメージです。日本円に換金していないから大丈夫、と考えられがちですが、税務上は「売却して別の資産を買った」のと同じ扱いになる点に注意が必要です。
確定申告時の混乱を避けるため、交換取引も含めて年間の損益を正しく把握し、早めに記録を整えておくようにしましょう。
現金化のタイミングはどう決めればいいでしょうか?
現金化のタイミングに正解はなく、将来使う目的と自分の許容リスクから逆算して決めていく考え方が基本になります。「いつ・いくら必要になる資金か」「一時的な含み損にどこまで耐えられるか」といった軸を整理し、たとえば「目標価格に達したら保有分の○%ずつ売る」「生活費には手を付けない」など、自分なりのルールを持つと判断がぶれにくくなるでしょう。
大きな価格変動に振り回されて感情的に売買すると、結果的に高値掴みと安値売りを繰り返すおそれも出てきます。あらかじめ出口のシナリオを決めておくことが、長期的な資産形成へとつなげるための基本姿勢です。
換金代行サービスを使っても大丈夫でしょうか?
換金代行サービスの利用は、強く推奨しません。
金融庁に登録されていない個人や無登録業者に仮想通貨や現金を預けると、持ち逃げなどの典型的な詐欺被害に遭うおそれがあることに加え、知らないうちにマネーロンダリングのスキームに関与してしまうおそれもあります。マネーロンダリングに巻き込まれれば、自分名義の銀行口座が凍結されたり、警察や税務当局から事情説明を求められたりする可能性もあるでしょう。
仮想通貨の現金化は、金融庁登録の仮想通貨交換業者や銀行など、公的な管理下にあるルートに限定することが、自分の資産と信用を守るうえで欠かせない前提条件となります。
まとめ
仮想通貨の現金化に関しては、取引所や販売所、ATMなど複数のルートの特徴を理解したうえで、手数料や安全性、税金、銀行側の審査といったポイントを事前に押さえておくことが重要。換金代行などのグレーなルートは避けること、取引履歴や資金移動の記録も残しておくことも大切です。
また、値動きの激しさやハッキングリスクを踏まえると、「どこまでを仮想通貨で持ち、どこからを別資産に移すか」という分散の考え方も欠かせません。BTCやUSDTを長く保有し続けることに不安がある場合は、Europe Chartered Bankのような海外銀行口座やドル建て預金への転換も、一つの出口戦略として検討してみるとよいでしょう
by
合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル

- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)の口座開設をサポートしている。
※2025年1月30日調査時点
