フィリップ銀行(カンボジア)
ここでは、日本にいながら口座を開設できるカンボジアのフィリップ銀行について、特徴や基本情報、口座開設の流れなどをまとめてご紹介します。
フィリップ銀行とは?
https://www.phillipbank.com.kh
カンボジア唯一のシンガポール資本の商業銀行
フィリップ銀行は、カンボジアで唯一のシンガポール資本の商業銀行として、デジタルバンキングサービスを提供しています。親会社のPhillipCapitalグループは日本を含む15カ国以上で事業展開しており、東京にもPhillip Securities Japan Ltd.を有する国際的な金融グループです。
定期預金で最大年利4.5%(米ドル)、5.5%(リエル)という日本では考えられない高金利を提供。普通預金でも残高に応じて最大2.5%(米ドル、10万ドル超)の金利が適用されます。
預金金利は日割り計算され、定期的に口座に入金されるため、着実に資産を増やすことが可能です。
充実したデジタルバンキングサービス
Phillip Mobileアプリでは、即時にバーチャルMastercardを発行でき、国内送金(Bakong経由)は24時間365日、QRコード決済や「100社以上」の提携先への請求書支払いなど多彩なサービスを利用できます。
さらに、カンボジア国立銀行のBakongデジタル決済システム(ブロックチェーン/DLT基盤)と統合され、最新のフィンテックを活用したサービスを提供。日本からの送金受取は手数料無料(2023年11月1日以降)で、日本への送金も可能。モバイルアプリ経由の国際送金は1取引USD 5,000・1日合計USD 10,000まで。
外国人向けの柔軟な口座開設サービス
フィリップ銀行はオフサイト口座開設サービスを提供しており、銀行スタッフが顧客の指定場所まで出向いて口座開設手続きを行います。
これにより支店訪問の必要がなく、忙しいビジネスパーソンに便利です。同行は全国に70以上の支店を有する中堅商業銀行で、2023年時点で預金者は16万人超と報じられています。(※)
なお、外国人の口座開設は通常パスポート等に加えて有効なビザや居住証明などの提出が求められ、非居住者は取扱いが支店・規制により制限される場合があります。
米ドル建て口座とリエル建て口座の両方が利用可能です(同行のE-AccountはUSD/KHRの両通貨で開設)。カンボジアの高いドル化(銀行預金の約8割がUSD)の状況下で特に利便性があります。
フィリップ銀行の基本情報
https://www.phillipbank.com.kh/digital-banking/
| 最大年利 | 定期預金:4.50%(米ドル) 定期預金:5.50%(リエル) |
|---|---|
| 普通預金の最低預金額 | 不要(USD/KHR対応) ※支店型の条件は商品により異なる |
| 定期預金の最低預金額 | 要確認 |
| 日本からの送金受取 | 手数料無料(
7. 海外からの送金受取:手数料無料(2023年11月より告知))
※2023年11月より |
フィリップ銀行の口座開設の流れ
フィリップ銀行の口座開設は、オフサイト口座開設サービスやPhillip MobileのE-Accountを活用して、カンボジア国内またはオンラインで手続きが可能です。日本からの完全リモート開設については、公式サイトでの明確な案内はありません。以下に、具体的な手順をわかりやすく解説します。
- 事前準備
- 必要書類: パスポート(有効なもの)、(該当する場合)有効なビザ/就労許可、住所証明(公共料金請求書や賃貸契約書等)。具体要件は口座種別や審査方針により異なります。
- 初期費用: デジタル普通預金(E-Account)は初期入金不要。定期預金の最低預入額は銀行方針に従い、固定額の公表はありません。
- 口座開設申請
- 銀行に連絡してオフサイト口座開設を予約するか、Phillip MobileアプリでE-Accountの開設を進めます。
- 紙の申込書(Application Form)は口座種別により必要となる場合があります。
- 本人確認
- オフサイトの場合:スタッフが対面で本人確認を行います。
- E-Accountの場合:アプリ内で本人確認(eKYC)を実施します。
- 紙申込を利用する場合は署名の提出が求められることがあります(インク色の指定は公式規定にありません)。
- 必要書類の提出
- オフサイトサービスの場合:銀行スタッフが指定場所を訪問し、その場で書類を受け取ります。
- E-Accountの場合:アプリ内手続きで完結します。紙申込を利用する経路では原本郵送を求められる場合があります。
- 審査と口座開設
- 提出書類と情報の審査が行われ、問題がなければ口座が開設されます。
- 所要期間はケースによります(オフサイトは「数分で開設」と案内、標準期間の明記はありません)。
- カードの受け取りとアプリ設定
- ATMカードは口座種別・手続きに応じて発行されます(所要日数の公式明記なし)。
- バーチャルMastercardは、Phillip Mobileアプリで即時発行が可能で、年会費等の一部手数料は当面の間免除されています。
- モバイルバンキングアプリをダウンロードして初期設定を行います。
- 利用開始
- 日本を含む海外からの入金の受取は手数料無料(2023年11月1日以降)。入金を確認します。
- アプリ上で定期預金の作成、国内外送金、QR決済や請求書支払いなどが利用可能です。モバイルでの国際送金は1取引USD 5,000・1日USD 10,000まで、カットオフはカンボジア時間15:00です。
なお、口座開設後は年に一度以上は普通預金口座の入出金やカード利用を行うことが重要です。長期間取引がない口座の取扱い(休眠・手数料等)は銀行規定によるため、最新の規定を確認のうえ定期的に動きを作るよう注意しましょう。
必要書類
口座開設時に必要となる主な書類は以下の通りです(口座種別・審査により異なります)。
- パスポート:有効なもの。
- ビザ/在留資格:(該当する場合)有効なビザや就労許可等。観光ビザのみでの開設は支店・審査により不可または制限される場合があります。
- 住所証明:賃貸契約書、公共料金の請求書、雇用主・学校等のレターなど、現住所を確認できるもの。
- 本人確認(オンライン申請/E-Accountの場合):アプリ内でのeKYC(身分証の撮影やセルフィー等)が求められる場合があります。
- 補助書類(任意/求められた場合):雇用証明(名刺、雇用契約書など)。
※ 申込内容に応じて追加書類の提出を求められる場合があります。
フィリップ銀行のデビットカード情報
フィリップ銀行では、口座開設後に便利なカードを利用できます。特にバーチャルMastercardはアプリから即時発行でき、年会費等は当面の間免除と案内されています(オンライン決済に最適)。
カードの種類と特徴
- ATMカード(CSS): カンボジア国内のCSSネットワークで利用可能なローカルATMアクセス用カード
- Phillip Priority ATMカード: 優遇顧客(VIP)向けのATMカード
- バーチャルMastercard: アプリで即時発行(年会費免除中/オンライン決済用)
カード利用条件
| 年会費 | ATMカード:無料/バーチャルMastercard:年会費免除(当面の間) |
|---|---|
| 海外ATM手数料 | カード種別・ATM設置者・ネットワークにより異なります(CSSカードは国内利用が基本) |
| 1日の引出限度額 | 通常:1,000米ドル/日|申請により最大:3,000米ドル/日 |
| オンライン決済 | Mastercardオンライン加盟店で利用可能(Amazon等の主要プラットフォームを含む) |
バーチャルMastercardはセキュリティ機能を備え、オンラインショッピングやサービス課金などインターネット上の決済に安心して利用できます。1日の取引上限は10,000米ドル、1日最大20回までで、1口座あたり最大5枚まで発行可能、有効期限は3年です。
まとめ年利最大4.5%とデジタルバンキングが魅力のフィリップ銀行
フィリップ銀行は、シンガポール資本による国際基準の銀行サービスと、カンボジアの高金利を組み合わせた選択肢です。
定期預金で最大年利4.5%(米ドル)という日本では考えられない高金利と、日本からの送金受取手数料無料というメリットがあります。さらに、Phillip Mobileアプリを活用したデジタルバンキングサービスは、24時間365日利用可能で、バーチャルMasterCardの即時発行となっています。
特に注目すべきは、オフサイト口座開設サービスにより、銀行スタッフが指定場所まで出向いて手続きを行ってくれる点。忙しいビジネスパーソンや日本在住の方でも、効率的に口座開設を進めることができます。
一方で、日本語専用のサポート窓口はないため、英語でのコミュニケーションが必要となります。専門的な金融用語のやり取りに不安がある場合は、口座開設サポートを行っている専門業者の利用も検討するといいでしょう。
カンボジアは2023年2月にFATFグレーリストから除外され、国際的な金融コンプライアンスが向上しています。フィリップ銀行は、デジタルバンキングに強みを持ち、国際送金にも対応した現代的な銀行として、海外口座開設を検討する日本人にとって有力な選択肢となるでしょう。
POINT個人での口座開設は結構大変、手間をかけずに開設したいなら、
「海外銀行口座開設のサポート会社」を利用するのがおすすめ。
「特定の銀行口座への開設をすでに決めている方」「過去に口座開設の経験がある方」
は補助的なサポートが受けられる日本の銀行や行政書士事務所のサービスを利用するのも良いでしょう。
ただ、「どの銀行口座が自分に合っているかがわからない」「自分で調べたり、必要書類を用意できるか不安」という方はより手厚いサポートが受けられる、サポート会社を利用するのが得策と言えるでしょう。
合同会社PPSのサポートを利用して
日本で開設できる
海外銀行口座

プライベートバンク(モナコ)
- 最大年利
- 4~8%
- 最低預金額
-
普通 3,000USドル
(日本円で約41万円)定期 100,000USドル
(日本円で約1,360万円) - デビット
カード - 利用可

アクレダ銀行(カンボジア)
- 最大年利
- 1.45~3.70%
- 最低預金額(個人口座の場合)
-
普通 10USドル
(初年度のみ100USドル)定期 500USドル
(日本円で約7万円) - デビット
カード - 利用可

【サポート停止中】
JDB銀行(ラオス)
- 最大年利
- 1.50%
- 最低預金額
-
普通 300USドル
(日本円で約4万円)定期 ※取り扱いなし - デビット
カード - 利用可

【サポート停止中】
OCBC銀行(インドネシア)
- 最大金利
-
普通預金
1.25%
定期預金
(3か月・6か月・12か月)4~4.25% - 最低預金額
-
普通 200,000 ルピア
(日本円で約2,000円前後)定期 公式HPに記載なし - デビット
カード - 利用可
- ペイオフ
制度 - 利用可
(最大2,000万円まで補償)
by
合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル

- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)の口座開設をサポートしている。
※2025年1月30日調査時点
