フィリピン編
日本にいながら口座を開設できる海外銀行をお探しの方へ。ここでは、フィリピンの各銀行の金利について解説します。
フィリピンの銀行金利は?
基本は低金利、オウンバンクだけは高金利
日本の普通預金金利は0.001%、定期預金金利は期間1~10年で0.01%ほどですが、フィリピンは0.2%ほど。日本と比べると高いですが、東南アジアの他の国々と比べると低い水準です。
しかし、フィリピンのオウンバンクだけは、定期預金金利が5.00〜8.00%とかなりの高金利。ルーラルバンク(地方銀行)ながら60年以上運営を続けるなど実績も豊富で、定期預金の運用だけで大きく資産を増やすことができます。
ペイオフで守りながら増やせる
フィリピンの銀行で注目したいのは、ペイオフ制度です。日本を含むほとんどの国では、外貨預金をペイオフの対象にしていないため、万が一金融機関が破たんしても預金が保護されることはありません。
一方で、フィリピンのペイオフ制度は、世界でも珍しく、外貨も保護対象としています。ひとつの銀行で、単独名義口座と共同名義口座を持っている場合でもそれぞれ保護されるため、ペイオフの保護限度枠を増やすことが可能です。
フィリピンの主な銀行の金利
銀行名 | 普通預金金利 | 定期預金金利 |
---|---|---|
オウンバンク(※新規停止中) | ー | ドル建5.00%〜8.00% |
フィリピンアイランド銀行 | 0.0925% | 0.125% |
メトロポリタン銀行 | 0.05% | 0.2995% |
※参照元:SEKAI PROPERTY「海外銀行の金利ランキング2022!デメリットや税金についても紹介」(https://ja.sekaiproperty.com/article/3990/overseas-bank-interest)
※参照元:合同会社PPS(https://pps-life.co.jp/ownbank/)
日本で開設できる銀行は?
オウンバンクは新規口座開設を停止中
BDO Bankは基本的には居住者向けですが、非居住者向けは個別に判断しているようです。
また、オウンバンクは、日本のサポート会社を通して口座を開設することが可能です。ただし、2023年時点では新規受付を中止しており、再開の目処は立っていません。
PNBは日本にいながら口座開設が可能
日本にいながら口座を開設できるフィリピンの銀行としては、PNB(Philippine National Bank|フィリピンナショナルバンク)があります。
東京都と名古屋市に拠点があり、日本国内で口座開設を完了することが可能です。
日本にいながら、PNBの口座開設をする流れ
日本国内にいながらフィリピンの銀行口座を開設する現在唯一の選択肢が、PNB(フィリピン・ナショナル・バンク)の日本支店(東京・名古屋)を通じた手続きです。
ただし、これは誰でも自由に開設できるわけではなく、「フィリピンへの送金予定が既にあること」が絶対的な前提条件となります。
具体的な流れは以下の通りです。まず、不動産購入やSRRV(特別居住退職者ビザ)の預託金支払いといった明確な目的を証明する書類を準備します。次に、これらの書類をPNBの指定Eメールアドレスへ送付し、「事前審査」を受けます。この審査には最低でも3営業日以上を要します。
審査を通過すると、ようやく日本の支店への来店予約が可能になります。予約日に支店へ出向き、マネーロンダリング対策を遵守した厳格な本人確認(KYC)手続きを経て、フィリピン国内の口座開設が「支援」されるという仕組みです。口座開設のみを単独で依頼することはできず、具体的な送金需要がなければ手続きを開始できない点に注意が必要です。
前提条件
不動産購入やビザ取得など、フィリピンへの具体的な送金予定があることが必須です。
口座開設までのステップ
- 1. 事前審査の申請: 必要書類を揃え、PNB日本支店へEメールで送付し、事前審査を受けます。
- 2. 審査結果の待機: 最低3営業日以上かかる審査の結果を待ちます。
- 3. 来店予約: 審査に通過したら、東京支店または名古屋出張所に来店する日時を予約します。
- 4. 来店・手続き: 予約日に本人が支店へ出向き、厳格な本人確認の上で、口座開設の申し込み手続きを行います。
- 5. 口座開設完了: 手続き後、フィリピン本国の口座が開設されます。
PNBの口座開設の注意点
PNBの口座を開設・維持する際には、いくつかの重要な注意点があります。
目的の証明が必須
前述の通り、口座開設には送金を伴う明確な目的の証明が不可欠です。投機や目的が不明瞭なケースでは開設できません。
手続き自体も、フィリピンの厳格な金融規制に準拠するため、非常に厳格なプロセスとなります。
2年間取引がないと休眠口座になる
口座開設後の「休眠口座」リスクです。PNBの普通預金口座は、2年間入出金取引がないと休眠口座に移行します。
休眠状態になると口座は事実上凍結され、毎月管理手数料が残高から引き落とされ続けます。休眠口座の再開手続きは、開設時と同様の厳格な手続きが必要となり、非常に煩雑です。
非居住者は意識的に口座を動かし、休眠状態に陥らないよう能動的に管理する計画が欠かせません。
フィリピンで源泉徴収があり、日本の確定申告も必要
税務上の義務です。口座の利子所得に対しては、フィリピンで源泉徴収課税(10%)が行われます。
日本の居住者は、これに加えて日本での確定申告も必要です。二重課税を避けるためには、確定申告時に「外国税額控除」を申請する必要があり、専門家への相談が推奨されます。
まとめPNBなら日本でも口座を開設可能
ペイオフ制度で外貨も対象にしていることから、資産の運用先として注目されているフィリピン。諸外国に比べて金利はさほど高くありませんが、オウンバンクでは、定期預金金利が5.00〜8.00%とかなりの高金利で、まさに守りながら資産を増やすことが可能です。
ただし、オウンバンクは新規口座開設申し込みプロセスの見直しを行っており、新規受付は停止中。PNBなら、東京都と名古屋市の拠点で口座開設を行うことができるので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
こちらのページでは、高金利かつ、日本にいながら開設できる海外口座を紹介しています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
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合同会社PPS
「海外銀行口座開設」のプロフェッショナル

- 合同会社PPS
- 吉岩勇紀代表
2007年創業、これまで2,500人以上の海外銀行の口座開設をサポート。独自の人脈と豊富な知識で海外銀行とのコネクションを築く。現在はプライベートバンク(モナコ)・アクレダ銀行(カンボジア)の口座開設をサポートしている。
※2025年1月30日調査時点